断 尾


断尾とは、イヌの尾を外科的な処置により短く切ることです。(犬種によって長さが決まっています)
断耳とは違い、生後まもなく行うので無麻酔で処置されるのが一般的です。早い時期に処置するので傷も小さく一糸縫う程度で、苦痛も少ないといわれています。
また、術後の管理なども比較的楽で問題は起きにくいです。
ちなみに、断尾時期は生後5〜7日くらいが一般的で遅くとも10日以内には切った方が良いです。但し、ドーベルマンやボクサーなど一部の犬種では、生後2ヶ月くらいに切るのがよい犬種もいます。(成犬になってから切ることもできますが、その場合には当然麻酔が必要になります)

何故このような処置をするようになったのでしょうか?

その理由はいくつかあります。
@ 最初はウマの断尾の模倣から始まったと言われています。
A 猟の時に小動物などを追いかけて、狭いところに突っ込んでいった時に尾をケガすることが多かったので短く切った。
B 昔イギリスで、家畜商のイヌに税金がかけられた時代がありました。その時税金を納税したイヌだということを示すために尾を切って納税証明とした。(オールドイングリッシュシープドッグ対象)
C 昔、イギリスの王室で鹿狩りが流行っていて、その鹿を牧羊犬が襲わないようにつま先や大腿部などを傷つけることが義務付けられていました。しかし、家畜商にとってイヌを傷つけられるのは困るので、その代わりに税金を支払っていたがそれも払えない人の救済として尾を切る処置がなされた。(尾を切ると早く走れないと信じられていたらしい)(ウェルッシュコーギー・ペンブローク対象)
D 水中作業をするイヌで、仕事をしやすくするために切ったと言われていますが、切った方が泳ぎにくい気がするので個人的には?です。
E 寒冷地で、凍傷や霜焼け、体温発散を防止するために小さく切った。
 これらが主な理由だったといわれています。

現在ではほとんどのイヌがペットとして飼われており、上記のような理由で切る必要はほとんど無くなりました。
しかし、今でも慣例上犬種の特徴を出すという理由で切っていますが、動物愛護の観点から断尾を禁止する国も出てきています。しかし、断耳に比べると禁止国はまだまだ少ないです。

<断尾禁止国>(一部です)
ノルウェー・デンマーク・スウェーデンなどの北欧諸国やオランダなど。
※イギリスでは獣医師による断尾は認められている。

※ 日本(JKC)では断尾犬種でも、断尾していなくてもドッグショー出陳はできるようになりましたが、禁止にはなっていません。


<JKC断尾犬種>

ブービエデフランダース スキッパーキー ポーリッシュローランドシープドッグ
オールドイングリッシュシープドッグ オーストラリアンシェパード ロットワイラー
ボクサー ドーベルマン ピレニアンシープドッグ
G・シュナウザー S・シュナウザー M・シュナウザー
M・ピンシャー ナポリタンマスチフ シーリハムテリア
エアデールテリア シーリハムテリア ウェルッシュテリア
オーストラリアンテリア ケリーブルーテリア アイリッシュソフトコーテッドウィトーンテリア
ノーフォークテリア(任意) ジャックラッセルテリア(任意) スムースフォックステリア
ワイアーフォックステリア 日本テリア オーストラリアンシルキーテリア
ジャーマンハンティングテリア レークランドテリア ヨークシャーテリア
ノーリッチテリア(任意) パーソンラッセルテリア アイリッシュテリア
フィールドスパニエル ショートヘアードハンガリアンビズラ ジャーマンショートヘアードポインター
ジャーマンワイアーヘアードポインター ウェルシュスプリンガースパニエル イングリッシュコッカースパニエル
アメリカンコッカースパニエル イングリッシュスプリンガースパニエル プチブラバンソン
ブリュッセルグリフォン キングチャールズスパニエル(任意) キャバリアキングチャールズスパニエル(任意)
S・プードル M・プードル T・プードル

※ ここに揚げた断尾犬種は、スタンダードで断尾の記載があるものです
上記の犬種の中には、先天的に無尾で生まれてくるものもいます。

※ウェルッシュコーギー・ペンブロークは、本来無尾もしくはものすごく短い尾で生まれてくるのですが、カーディガン種との交雑がなされていた時代があり、実際には尾のあるものが生まれてくることが多々あります。
その場合には断尾の処置をしますが、近年、ヨーロッパの多くの国ではナチュラルボブ(無尾)だけを認める傾向になっています。



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