調査・研究結果

「生理的効果」

<1980年 ブルックリン大学>
心筋梗塞発作後、1年経過した50歳代の患者100人に発作後の調査(電話調査)した結果、ペットを飼育している人の方が3倍も延命率が高かった。

<1984年 ネブラスカ大学>
6ヶ月以上一緒に暮らして親しくなっている飼いイヌを撫でている時の血圧の下がり方は、見知らぬイヌを撫でている時と比べて大きい。また、その時のくつろぎ作用は静かに雑誌を読んでいる時と同じような下がり方だった。

<1990年 ケンブリッジ大学>
健常者対象の調査で、ペットを飼育し始めた人の方が、頭痛や腰痛、風邪などの症状が少ない。

<1990年 カリフォルニア大学>
938人の高齢者を対象に、1年間に医者に掛かった回数を調査した結果、ペット(特にイヌ)を飼育している人の方が回数が少ない。その他、慢性疾患の人が多く、低収入者の人が少なかった。

<1990年 デシュリバー氏>
熱帯魚の水槽とビデオ鑑賞を比較したところ、熱帯魚を見ている方が心拍数と筋の緊張が低下した。

<1992年 オーストラリアのベーカー研究所>
心臓病の危険性があると診断された5741人の調査で、ペットを飼育していた人(784人)の血圧は、飼育していない人より2%ほど低く、減塩食やアルコールを控えた効果と同様に、コレステロール値や血圧値が減少していた。
この結果、ペットを飼育している人の方が心臓病の進行が遅い。

<1995年 ブルックリン大学>
心室性不整脈を起こした心筋梗塞の患者424人をランダムに選び、それぞれに特殊な調査票を使って1年後の状態を調べた。(369人のデーターが集まった)
その結果、イヌの飼育者(87人中1人死亡 1.14%)の方が、イヌを飼っていない人(282人中19人死亡 6.73%)よりも生存率が高かった。

<ペンシルバニア大学>
自動血圧計を装着して、「スタート」→「大きい声で読書」→「何もない壁を見る」→「熱帯魚の水槽を見る」→「再び読書」という実験をした結果、熱帯魚の水槽を見ている時が最も血圧が下がり、更に最初の読書よりも熱帯魚を見た後の読書の方が血圧は下がっていた。
(高血圧者15人の実験結果)
最高値:143→155→131→123→140
最低値: 86→ 91→ 75→ 72→ 83
(正常血圧者20人の実験結果)
最高値:122→129→118→114→118
最低値: 69→ 74→ 67→ 63→71


「心理的効果」

<1957年 イギリスのマグフォード>
一人暮らしの高齢者を二つに分け、月一回ソーシャルワーカーが訪問し、片方にはセキセイインコ、もう片方にはベゴニアの鉢を与えた。
5ヶ月後の面接調査でインコを与えた方が他人に対する態度と精神的健康に対する態度に向上が見られ、多くはインコに親密な愛着を持つようになった。

<1977年 コーソン他>
情緒障害のある患者が、AATによって感情面が改善された。

<1980年 ロブ他>
入院中の患者が微笑んだり感情を口に出したりするのは、生命の無いものに対してより籠の中の仔イヌに対してである方が多い。

<1985年〜87年 ハルコム>
ヘネピン郡メディカルセンターの精神科入院病棟で、色々な活動を行うものを用意し、どの活動に患者が積極的に参加したかを調べた結果、「動物と触れ合う」活動が他より著しく多くの患者を誘引した。
(その他、「生活練習」「職業練習」「コミュニケーション練習」「開放病棟の職業練習」「自己主張の練習」など)

<1986年 ベック>
慢性精神病患者グループで、小鳥の籠を置いた部屋でミーティングをする方が、普通の部屋でミーティングするより活動的・積極的に参加するということを報告。

<1989年 ギャリティー>
社会的に孤立している老人を対象に過去1年間に伴侶を亡くしたケースを調査した結果、ペットを飼っていない人は飼っている人に比べてはるかに酷い抑鬱状態になっている割合が10倍以上高い。

<1995年 ケイル>
275人の老人ホーム入居者を対象に調査した結果、孤独感やストレスが増えるほど動物に対する愛着心が増す。

<1995年 オルブリック>
37ヶ所の老人ホームで100人の入居者にセキセイインコを与え、6週間後に調査票を使って何も飼っていない入居者との比較をおこなった。
その結果、インコ飼育者の方が周りとのコミュニケーションが質・量とも良好になり、毎日の喜びが増え、孤独や退屈が減り、ライフスタイルが変わり、病気から注意がそれた。
ちなみに研究終了後、インコを返すことに同意した老人は一人もいなかった。

<ラゴ他>
ペンシルバニア在住の高齢者の追跡調査で、「ペッ飼育」や「ペットに対する高感度」と健康との関係を調べた結果、「気力」及び「自己報告による健康度」と相関していた。
この結果、ペットの存在やペットを意識することで、気力が高められ健康度の自己認識や機能レベルを改善させるのではと考えられた。

<バーン>
22名のアルツハイマー病患者(平均年齢77.9歳)とイヌを短期間触れ合わせたところ、「心拍・血圧・体温」などには変化が見られなかったが、「笑顔の回数」「表情変化の回数」「手で触れる回数」などが増えた。
同様の報告として、老人ホームの20人の患者に訓練されたイヌとボランティアを週2回派遣した結果、約25%の患者に行動の改善が見られた。
その他、孤独癖や引っ込み思案の傾向が減り、運動への意欲が増したという報告もある。

<その他>
イヌがいることで黙って読書をしている時と同じように不安定度が低下する。
ネコを飼っている人は飼っていない人に比べてGHQ(精神症状・神経症症状の把握、評価のための調査票)得点が低かった。
ペットへの愛着が強い人の方が抑鬱になりにくく幸福感が高い。
イヌに対する愛情の薄い人は人に対する愛情も薄く、男性においては愛情の要求率が低い。

「社会的効果」

<1988年 エディ他>
車椅子に乗った子供が介助犬を連れている場合と連れていない場合に、周囲の人の反応の違いがどうかを調べ、連れていない場合はほとんどの人が微笑みかけなかったが、連れている場合には3〜5人に1人が微笑みかけるなど、笑顔や会話が増える結果が出た。

<1994年 JAHA>
1705人へのアンケート調査で、動物と散歩していて話し掛けられたことがある人が88%、動物を連れての散歩で人の輪が広がると思う人が84%、実際に増えた人が68%と高い数字を示した。

<その他>
イヌを連れた人の方が、見知らぬ人から話し掛けられることが多く、立ち止まってよその人と話す時間も長い。



※ ここでの内容は「アニマルセラピーとは何か」(NHKブックス)を参考資料としています。




AAT&AAAに戻る



表紙に戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送